YouTubeでAI系の発信をされている方がNotionを活用しているのを見て、「僕もNotion使った方がいいのかな」と思ったのがきっかけです。普段はClaude Codeで日次のAIニュースを自動収集し、ローカルのMarkdownファイルとして蓄積しています。仕組みとしては気に入っているんですが、「このPCでしか見られない」という制約がずっと気になっていたんですよね。
今の運用
Windowsのタスクスケジューラで1日3回、PythonスクリプトがClaude Codeを呼び出してAI関連ニュースをリサーチし、Markdownファイルとして日付別フォルダに保存しています。閲覧はVSCodeのMarkdownプレビュー拡張機能。
各ニュースには「カテゴリ」「ソース種別(News / YouTube / Zenn / note)」「要約」「URL」が含まれていて、1日あたり30〜45件ほど蓄積されます。2週間で400件を超える規模ですね。
この仕組みのいいところは、Claude Codeの品質でリサーチできること。普段使い慣れたAIモデルが情報を整理してくれるので安心感があります。Markdownで保存しているのも、AIとの相性が良いからなんですよね。Claude Codeが直接ファイルを読めるので、過去のニュースを踏まえた分析もすぐにできます。
ただ、課題もあります。このPCからしかデータを見られないこと。外出先でスマホから「昨日のAI規制ニュースって何があったっけ」と確認したくなる場面が、実はけっこうあるんですよね。
Notionを調べてみた
Notionは「オールインワン・ワークスペース」と呼ばれるツールです。ドキュメント、データベース、Wiki、プロジェクト管理を1つのプラットフォームで完結できます。2026年2月にはCustom Agents(自律型AIエージェント)もリリースされ、単なるメモアプリの域を超えています。
僕のケースで魅力的に映ったのは、データベース機能です。各ニュースを「日付」「カテゴリ」「ソース種別」といったプロパティで構造化し、フィルタやカレンダー表示で横断閲覧できる。今のMarkdownファイルでは日付フォルダを順番に開くしかない閲覧が、ワンクリックで絞り込めるようになります。
スマホアプリもあるので、マルチデバイスの課題も解決できますね。
でも、それってNotionじゃないとダメなのか
調べていて気づいたのは、「構造化」「検索」「マルチデバイス」のいずれも、Notion固有の機能ではないということです。
特に気になったのがObsidianです。ObsidianはローカルのMarkdownファイルをそのまま読み書きするツールで、Dataviewというプラグインを使えば、Markdownのメタデータをもとにデータベース的なフィルタや一覧表示ができます。つまり、今のdaily_newsフォルダをそのまま開くだけで使い始められるんですよね。
Google Sheetsもフィルタや構造化には強いですが、長文の要約を読むUIとしては向いていません。GitHub Private Repoならスマホで見られますが、フィルタはできない。
無料で使えるという条件で比較すると、僕のケースでは実質Notion vs Obsidianの二択になりました。
2つのアプローチを試す
検討だけでは結論が出ないので、両方を実際に構築して比較することにしました。
Obsidian + Dataview
daily_newsフォルダをObsidianのvaultとして開く構成です。Markdownファイルがそのまま原本として残り、Claude Codeからも引き続き直接読める。Dataviewプラグインで構造化閲覧を追加します。
スマホへの同期はiCloudやGoogle Drive経由で無料で可能ですが、設定に手間がかかる点が気になりました。
Notion をビューアとして追加
こちらはMarkdownファイルを原本として残しつつ、Notion APIで自動転記する構成です。Notionは「読む・探す」専用のビューア。既存のPythonスクリプトの末尾にAPI呼び出しを追加するだけなので、今の仕組みに手を入れる必要がありません。
スマホアプリはインストールするだけで使えます。
実際に試した結果
Notionの感触
Notion APIを使ってデータベースを作り、331件のニュース記事を自動投入しました。技術的にはスムーズで、Pythonスクリプトから直接APIを叩いてデータベース作成→記事投入まで一気通貫でできます。
クラウドに載ったことで、スマホからもPCからもアクセスできるようになりました。Web公開機能もあるので、第三者に共有するのも簡単です。実際に公開したダッシュボードはこちらから閲覧できます。ここまでは期待どおりですね。
最初にPCのブラウザでダッシュボードを開いたとき、正直「レポートとしての視認性がしんどいな」と感じました。Notionのデータベースビューは構造化データの管理には強いんですが、ニュースを「読む」体験としては表計算ソフトに近いんですよね。タイトルは途中で切れるし、要約は1行に押し込まれるし、カテゴリのタグが並ぶだけ。Markdownのプレビューで見る方が、見出し・箇条書き・リンクが自然に並ぶ分、レポートとしての体験は上だと感じました。
ただ、スマホアプリで触ってみて印象が変わりました。
考えてみれば、僕が毎日やりたいのは「きれいなレポートを熟読する」ことではなく、「どんな記事があったかをざっとチェックする」こと。データベースのテーブルビューを指でスクロールしながら、気になるタイトルがあればタップして詳細を見る。この「脳死でブラウズする」使い方なら、Notionのデータベースビューはむしろ合っています。
つまり、Notionの評価は「何を期待するか」で大きく変わるんですよね。レポートを読む道具として見ると物足りないですが、データベースを眺める道具として見ると十分に実用的です。
Obsidianの感触
Obsidianもインストールして試しました。daily_newsフォルダをそのままvault(保管庫)として開き、Dataviewプラグインで日付・時間帯のファイル一覧ダッシュボードも作成。ここまで10分もかかりませんでした。
Markdownの自然なレンダリングはやはり美しいですね。見出しでカテゴリが分かれ、箇条書きでニュースが並び、URLはクリッカブルなリンクになっている。レポートとしての読みやすさは文句なしです。ファイルを一切変更しないので、Claude Codeからの直接アクセスも引き続き可能。
ただ、冷静に考えると「レポートとして美しく読みたい場面」が僕の日常にどれだけあるか。答えは「ほとんどない」でした。毎日のルーティンは「今日どんなニュースがあったか」をサッと確認するだけで、じっくり読み込むのは気になった記事だけ。であれば、Notionのデータベースビューで十分なんですよね。
さらに、スマホで見るにはiCloud経由の同期設定が必要で、Notionのようにログインだけで即アクセスというわけにはいきません。第三者への公開もObsidian Publishは月$8の有料プランで、無料でWeb公開できるNotionの方が強い。
つまり、Obsidianは「きれいなMarkdownビューア」としては優秀ですが、僕の用途では過剰だったと感じています。
結論
| 観点 | Notion | Obsidian |
|---|---|---|
| セットアップ | API連携スクリプト構築が必要(Claude Codeで構築可能) | フォルダを開くだけ |
| 日常の閲覧 | データベースとしてブラウズ。サッと確認する用途に向く | Markdownそのまま。レポートとして読む用途に向く |
| 構造化・検索 | データベースのフィルタが強力 | Dataviewで対応可能 |
| マルチデバイス | スマホはログインだけで即アクセス | iCloud同期の初回設定が必要 |
| 第三者への共有 | 無料でWeb公開可能 | Publishは月$8 |
| 既存の仕組みとの共存 | 転記が必要(原本とは別管理) | 原本をそのまま使える |
僕のケースでは、ローカルMarkdown + Notionの二軸構成に落ち着きました。Obsidianは採用しません。
理由はシンプルで、「きれいなレポートとして読む」ことが僕の日常にはなかったからです。毎日やるのは「どんな記事があったかをサッと確認する」だけ。それならNotionのデータベースビューで十分ですし、スマホからもログインだけでアクセスできます。Obsidianの美しいMarkdownレンダリングは魅力的ですが、そこに価値を感じる場面が僕にはありませんでした。
一方、深く読みたいときやAIに分析させたいときは、原本のMarkdownファイルをClaude Codeで直接読む方が早いです。ここはNotionでもObsidianでもなく、使い慣れたAIモデルとの対話がベスト。
結果として、役割は明確に分かれました。
– ローカルMarkdown — 原本。AIとの連携、深い分析。
– Notion — 日常のブラウズ、スマホアクセス、第三者への共有。
おわりに
「Notion使った方がいいのかな」という漠然とした疑問から始めた検討でしたが、大切なのは「何を解決したいか」を先に明確にすることだと思いました。ツールの機能を調べる前に、僕の課題を整理する方が近道ですよね。
僕の場合、解決したかったのは「スマホからもニュースを確認できること」と「手軽にブラウズできること」。最初は「きれいなレポートとして読みたい」と思い込んでObsidianに惹かれましたが、実際にはそこまでの体験は必要ありませんでした。データベースとしてタイトルをスクロールできれば十分で、それならNotionで事足ります。
結局、Notionは必要でした。ただし「全部をNotionに集約する」のではなく、「ローカルMarkdownの補完としてNotionを使う」という形です。原本はMarkdownファイルとして手元に残し、AIとの連携や深い分析はClaude Codeで行う。Notionはその上に乗るビューアとして、日常のブラウズとモバイルアクセスを担います。
道具は課題に合わせて選ぶもので、話題のツールに合わせて課題を作るものではないですよね。そして、実際に触ってみないと「僕に必要な体験の水準」は分からない。ぜひ皆さんも、気になるツールがあったら検討だけで終わらせず、実際に触って比較してみてください。
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